オーストラリア入国の“はてな”?
2019年1月7日、午後10時20分。
羽田空港発シドニー行きの飛行機にて日本を出発。深夜便のため当然外は暗闇の世界。
風景が見えず移動感がまったく無い状態でただエンジン音を聞きながら数時間を過ごす
夜間飛行。
その暗闇がグレー色の薄明になり始めた頃、地上を覆っていた雲も徐々に消えオースト
ラリアの大地が姿を現す。日が昇り切っていないため、まだ完全な色を取り戻していな
い薄っすらとした茶色と緑の山地が眼下に広がる。その広大な大地は自分が持つ大陸の
イメージそのものだった。さらに時間が進むと都市部の姿が見えてくる。その光景を見
た時にオーストラリアに来たことを実感する。
飛行時間約9時間、シドニーの空港に到着。
初めてのオーストラリア大陸、ユーラシアは勿論、北米、アフリカ、南米と続き、
これで南極を除いたすべての大陸を訪れる事が出来た。
と、思うのはまだ早く、入国審査を受けなければならない。
審査を通ってからが正式にオーストラリアの地を踏んだ
という事になる。
ここで気がかりな事がひとつあった。実は日本の出発地羽田空港の免税店で
タバコを1カートン購入したのである。オーストラリアのタバコの免税
範囲は25本(少ない!)。確かに店員も「25本まで・・・」みたい
な事を言っていたが、購入時の自分はオーストラリアの
タバコの免税範囲を知らなかった。
大体の国でタバコは1カートン(200本)までが免税である事から
オーストラリアも同じだろうという思い込みと、
店員の忠告も聞き取りにくく、“25本”と聞こえた感じではあったものの、
“大丈夫だろう”という勝手な思い込みで御購入してしまった。
がっ、その後、調べてみるとやはり“25本”が免税範囲。
さらに飛行機内で移動中に記入したオーストラリアの入国カードには、持ち込み品のチ
ェックがあり、その項目には当然タバコの項目もあった。
「持ち込みをトボケルか」という悪魔と
「正直に申請」という天使が心の中で対決!
勝利したのは「正直に申請」の天使であった。(というよりバレたらどうしよ
う~という気の小ささから)
がっ、これについてまさに“はてな”の出来事が入国の時に起る。
審査官は女性で、パスポートの写真とその写真より髪を短く切ったリアルタイムの自分
とを何度も見比べ、“ホントに同一人物?”というちょっとした“おふざけ”の
後、入国カードをチェックしていき、最後に何やら入国カードに書き込みをして審査を
終了。この茶目っ気ある女性審査官、終始気さくな笑顔で対応。審査官はまさに
訪れた異国で最初に出会い言葉を交わす人物。その審査官のフレンドリーな対応は最高
のお出迎えであり、緊張もほぐれる。ちなみに日本出国時の審査官も同じく女性。
機動戦士ガンダムに登場した“キシリア・ザビ”の様に顔半分をマスクで覆い、
無表情で自分を初のオーストラリアへと送り出してくれた。
さて、“はてな”だが、入国審査のあと預け荷物を受け取り
いよいよ税関へと向かう。
オーストラリアは世界一タバコに厳しいと言われている国(後で
知った)。とにかくタバコを無くそうとやたら税金をかけまくっている
そうだ。免税の範囲もインターネットで調べてみると数年前は250本だったが、それ
が50本になり、そして25本になったのである。
当然、免税範囲を超えると関税が掛かる。しかし、職員に“正直に申告したカ
ード(本当だぞ!)”を渡すと特に何も無し。「あれっ」と思いつつも何も言われな
かったので、自ら「タバコの免税範囲超えているよ・・・」
とまでは言わず足早にその場を去る。
何故、大丈夫だったのか?入国の審査官が入国カードに書き込んだものは「タバコ
は大目に見てやれ」みたいなものだったのか?「はてな?」である。
そして約2週間後、1カートンのタバコを吸い切り、初めてオーストラリアでタバコを
買ったのだが、お値段はなんと41オーストラリアドル!
日本円で3200円以上!(両替手数料など含めて出した個人レート)
高ッ~。